第5話 暑さで体を壊さないように
「夏月もっとも保養すべし」。貝原益軒は『養生訓』の中で、こう注意をうながしている。夏には、暑さ、湿気、胃腸の病気が特に多いからだ。 夏の語源は「アツ」だという。夏の病気の代表といえば熱中症。これは西洋医学の病名で、東洋医学では中暑と呼ぶ。暑さに中(あた)る病気、というわけだ...
第4話 万引きの薬にも使われた半夏
早いもので、一年も半分が過ぎた。 時の流れを視覚で感じさせてくれる植物にドクダミ科の半化粧(ハンゲショウ)がある。 まさに今ごろ(7月上旬)、上部の三枚の葉が白粉をぬったように半分程度白くなる様子からの名称であり、三白草(ミツジログサ)、オシロイカケ、片白草(カタシロクサ)...
第3話 漢方医学と東洋医学はどう違うの
東洋医学は5~6世紀ごろ、中国から渡来した。それ以前の医学がどんなものだったか定かではないが、民間薬や温泉療法などはそのなごりであろう。例えばハトムギはイボ取りの漢方薬(薏苡仁)だが、中国にはない日本独自の使い方だ。 「漢方医学」とも呼ばれるが、江戸時代中頃に広まった蘭...