August 12, 2017

 「夏月もっとも保養すべし」。貝原益軒は『養生訓』の中で、こう注意をうながしている。夏には、暑さ、湿気、胃腸の病気が特に多いからだ。

 夏の語源は「アツ」だという。夏の病気の代表といえば熱中症。これは西洋医学の病名で、東洋医学では中暑と呼ぶ。暑さに中(あた)る病気、というわけだ。治療には白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)がよく使われる。白虎とは秋をもたらす神の名。この薬には、石こうが使われる。石こうはギプスなどでおなじみの鉱物だが、薬としては熱を冷ます働きがある。つまり白虎加人参湯は、暑さでほてった体を秋のようにさわやかにしてくれ...

August 12, 2017

第四回・平成25年7月4日・毎日新聞コラムに掲載されたものである

 早いもので、一年も半分が過ぎた。

時の流れを視覚で感じさせてくれる植物にドクダミ科の半化粧(ハンゲショウ)がある。

まさに今ごろ(7月上旬)、上部の三枚の葉が白粉をぬったように半分程度白くなる様子からの名称であり、三白草(ミツジログサ)、オシロイカケ、片白草(カタシロクサ)などとも呼ばれる。白くなるのは、虫を呼び込むためという。

ところで、7月2日~6日は、七十二候「半夏生(はんげしょう)」。

この名称の由来となった半夏は、カラスビシャクという草で、立夏と立秋の真ん中、つまり...

June 3, 2017

平成25年6月6日毎日新聞掲載-「オットー博士のなるほど東洋医学」を修正加筆したものである

 東洋医学は5~6世紀ごろ、中国から渡来した。それ以前の医学がどんなものだったか定かではないが、民間薬や温泉療法などはそのなごりであろう。例えばハトムギはイボ取りの漢方薬(薏苡仁)だが、中国にはない日本独自の使い方だ。
 「漢方医学」とも呼ばれるが、江戸時代中頃に広まった蘭方医学と区別するために生まれた名称である。漢は漢民族、蘭はオランダ。ただし蘭方医といっても基本は漢方医学で、主な蘭方医学は外科や種痘であった。世界初の麻酔手術をした華岡青...

June 3, 2017

平成25年5月2日毎日新聞掲載-「オットー博士のなるほど東洋医学」を修正加筆したものである


  “チィダラカヌシャマヨ”と合いの手がはいる安里屋ユンタいう沖縄民謡がある。本島人には、“死んだら神様よ”と聞こえるのも、そこになにか納得感があるからだろう。
もしあの世で、天満宮の菅原道真公と中国の古代医家が会話をしたとしよう。“私も神になりました”と菅原公。“違います。もう神はないのです”と医家。“いや功績が認められたから神にしてくれたんです”とこんな具合に、永遠にかみ合わないであろう。このように元来日本人のもっている神(カミ)と東...

June 3, 2017

平成25年4月11日毎日新聞掲載-「オットー博士のなるほど東洋医学」を修正加筆したものである

 いきなり名医の漢方教室風 に始めるのも気が引けるので、ヤブ医者の話を。
 この語源には諸説ある。一つは「野巫(やふ)」。野は民間、巫はみこの事で、理論ではなく祈祷で病気を治す医者という意味である。腕がないくせに「兵庫県養父(やぶ)市の名医から習った」と吹聴する医者という説もある。
 ヤブには「以て非なるもの」「~のようなもの」との意味がある。例えば、ヤブジラミという草は、シラミのような実をつけるところから命名された。つまり医者とは言えな...

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